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導入事例 - 女川町役場様

「リモートPCアレイ」により、短期間かつ低コストでインターネット分離を実現

導入の背景

総務省による情報セキュリティ対策の強化、庁内情報システムの再構築

選定理由

短期間かつ低コストで、セキュアなシステム構築が可能。現行利用しているPCと同じOS環境のままで利用

導入製品・サービス

カタログPDF


将来へのロードマップを考慮した庁内情報システムの再構築に着手

ロゴ 女川町は、宮城県の東、太平洋沿岸に位置する町です。町域は東日本大震災により被災した三陸地域に創設された「三陸復興国立公園」地域に指定されています。カキやホタテ、ホヤ、銀鮭などの養殖業が盛んで、世界三大漁場の一つである金華山沖漁場が近いことから、魚市場には年間を通じて豊富な魚種が数多く水揚げされています。水産業をはじめ、新鮮な魚介類を活用した観光産業にも注力してきましたが、2011年3月11日に発生した東日本大震災により、町中心部は壊滅的な被害を受けました。現在、女川町は、新たな港町女川を創り上げるために、総力を結集しながら1日も早い復興に取り組んでいます。
女川町の人々のくらしをサポートしている女川町役場は、2018年10月に完成した女川町庁舎にあります。庁舎の1階には、町民生活、健康福祉、税務会計などの各種住民サービスを行う部門があり、2階と3階には復興・まちづくりに関連した部門があります。女川町役場では、2020年から各種行政サービスを支えている庁内情報システムの再構築を開始しました。再構築の目的について、女川町役場 企画課 課長補佐の松井 良男氏は次のように語ります。

「女川町役場では、メール、ファイル転送などのサービス(機能)に対して、それぞれ1つのサーバで対応する構成で庁内情報システムを運用していました。しかし、システムを支えているサーバ類は、主に東日本大震災後に他の施設で使用していたものを転用したもの、寄付などで導入したものがほとんどだったため、保守切れのため故障が発生すると回復が不可能になってしまうなどの課題がありました。こうした状況において、総務省による情報セキュリティ対策の強化や、テレワーク等の新たな時代の要請を踏まえた『三層の対策』の見直しなど、将来へのロードマップを考慮した庁内情報システム再構築( 以下「 本プロジェクト 」)を開始しました。」

「リモートPCアレイ」を導入して新サービスのインフラ部分を柔軟かつ強化

松井 良男 氏
女川町 企画課課長補佐
松井 良男氏
女川町役場では2020年4月から、仮想化共通プラットフォーム上に画面転送やファイル交換などのサービスを再構築する本プロジェクトのフェーズ1に着手し、同年9月から新サービスの提供を開始しました。フェーズ1では、主に次のような取り組みが実施されました。
  1. 新・共有ファイルサーバ への切り替え
  2. 新・画面転送サービスへの切り替え
  3. ファイル交換サービスの新規導入
これらのサービスを支えるインフラ部分に「リモートPCアレイ」が採用されました。「リモートPCアレイ」は、20年以上の仮想デスクトップ構築経験に基づき、アセンテックが企画・製品化したリモートアクセスソリューションです。1ユニットの筐体に複数の物理PCカートリッジと仮想デスクトップに必要なコンポーネントを搭載しています。また物理PCにリモート接続を行うのでハイパーバイザーが不要であり、仮想的なデスクトップ環境をネットワークを通じて提供するVDI(Virtual DesktopInfrastructure)の導入コストを大幅に削減することが可能です。
松井氏は「リモートPCアレイ」の特長について次のように話します。

「『リモートPCアレイ』は、1ユーザーにつき1PCカートリッジを物理アクセスで割り当てるため、他ユーザーの負荷干渉がなく、ハイパーバイザーの利用もないので、パフォーマンス障害の原因の多くを排除することが可能です。本プロジェクトでは、1U筐体にPC30台を実装する『リモートPCアレイ200』を6シャーシ(端末180台相当)導入しました。職員の利用環境やデータは全て集中管理されているので、場所にとらわれずに業務を行うことができます。」

職員にストレスを感じさせない利便性の高いサービスとシステム環境を構築

金田 義徳 氏
リコージャパン株式会社
ICT事業本部 ICT技術本部
東北ソリューション部
ICT基盤1グループ
金田 義徳氏
本プロジェクトのフェーズ1で、システム提案および構築とサービス提供開始後の保守はリコージャパン株式会社が行っています。リコージャパン株式会社 ICT事業本部の金田 義徳氏は、システム提案と構築で注力したポイントについて次のように語ります。

「当初は、VDI化の方式として他の製品を考えておりましたが、比較製品として『リモートPCアレイ』をご提示いたしました。その結果、利用者の使い勝手や管理・運用のしやすさなどが評価され、『リモートPCアレイ』が採用されました。システムを構築する上で最も注力したところは、新たな環境においても各サービスをストレスなく利用することができるようにすることです。最先端の環境にするのではなく、これまでの業務をスムーズに引き継げる最適な環境にすることを重視しました。」

新サービスの提供に向けては、女川町内のICT検討会メンバーによって試行運用を繰り返しながらサービスの利便性などを調整して高めていきました。そして、2020年9月17日に全職員向けの説明会が実施され、同年9月19日から22日の4連休に新システムへの切り替えと各職員PCへの設定作業が行われました。新サービス提供後は、特に支障もなく利用が進んでいます。

「庁内LGWANネットワーク」のPCから安全にアクセスすることが可能に

佐藤 義明 氏
女川町 情報システム運用管理
支援リーダー
佐藤 義明氏
本プロジェクトのフェーズ1として、仮想化共通プラットフォーム上に構築された新サービスが、「画面転送サービス」と「ファイル交換サービス」です。
「画面転送サービス」は、業務で利用している「庁内LGWANネットワーク」のPCから、インターネットのウェブサイトへ安全にアクセスするためのネットワークサービスです。新サービスの特徴と改善点について、女川町役場の各種システムの運用や監視、ドキュメントのチェックなども含めたグランドデザインからシステム設計やプロジェクトの運用などを担当している佐藤 義明氏は次のように語ります。

「以前のサービスは、使用PCと異なるOS環境での利用でしたので、利用者制限をはじめブラウザや印刷の環境にも制限がありました。新サービスでは使用PCと同じOS環境での利用を実現したので様々な制限がなくなり、インターネット・ウェブサイトのページ等を、LGWANネットワークプリンタで印刷することもできるようになりました。」
また「ファイル交換サービス」は、画面転送サービスを利用してインターネットから入手したファイルを、安全に「庁内LGWANネットワーク」へ持ち込むためのネットワークサービスであり、さらに「庁内LGWANネットワーク」からインターネットへセキュアにファイルを持ち出すことも可能になりました。新サービスの特徴と改善点について佐藤氏は「これまでUSBメモリを介して行っていたデータ移動が、共有フォルダを介したデータ転送になりました。また、無害化された安全なファイルの持ち込みや、必要により承認と記録がされた上でのファイル持ち出しも可能となり、各職員専用のファイル交換フォルダを利用して自席のPCから全ての操作を完結できるようになりました。」と話します。

最後に本プロジェクトの今後について、松井氏は次のように話します。

「フェーズ2においては、総務省が進めている『三層の対策』の見直しに対応したシステムやネットワークの構築、セキュリティ対策の強化を進めていきます。そして2021年3月11日には、東日本大震災から10年目を迎えますが、女川町の皆さまを支えていくシステムを構築しサービスを提供することで、1日も早い復興を目指していきます。」
システム概念図
システム概念図

お客様情報

お客様名 女川町役場
所在地 宮城県牡鹿郡女川町女川一丁目1番地1
自治体概要 女川町は、宮城県の東、牡鹿半島基部に位置し、東日本大震災により被災した三陸地域に創設された「三陸復興国立公園」地域に指定されています。北上山地と太平洋が交わる風光明媚なリアス式海岸は天然の良港を形成し、カキやホタテ、ホヤ、銀鮭などの養殖業が盛んで、世界三大漁場の一つである金華山沖漁場が近いことから、魚市場には年間を通じて暖流、寒流の豊富な魚種が数多く水揚げされています。
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