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導入事例 - 横瀬町役場様

「リモートPCアレイ」により、短期間かつ低コストでインターネット分離を実現

導入の背景

セキュリティを確保しながらLGWANへのリモートアクセスが可能なテレワーク環境の構築を数年前から検討していたが、コロナ禍により早期の実現が必要となった

選定理由

既存のLGWAN環境を維持しつつ、普段の業務環境へ安全にリモートアクセスできるシステムであり、さらに維持管理が容易であることや、拡張性に優れていることなどを評価

導入製品・サービス

カタログPDF


新型コロナウイルスの感染拡大が深刻化し、職員向けテレワークシステムの早期実現に取り組む

ロゴ 都心から70km圏内、埼玉県の西部、秩父地方の南東部に位置する横瀬町は、武甲山を中心とした雄大な自然景観と豊かな森林資源、歴史的文化遺産を多数有していることから、東京近郊の観光地としても知られています。山地に囲まれた盆地にあるため寒暖の差が比較的大きいものの、四季を通じて概ね穏やかな気候です。町の大半は山地ですが、北西を流れる横瀬川流域に平地があり、そこに横瀬町役場があります。 横瀬町役場では、数年前から働き方改革の一環としてテレワークの導入を検討していました。そして検討を進めている中で、新型コロナウイルスの感染拡大が深刻化し、テレワークの必要性が高まり、2020年4月から職員向けテレワーク環境の構築に向けた取り組みを本格的に開始しました。テレワーク環境の早期実現について、横瀬町副町長の井上 雅国 氏は次のように語ります。

「横瀬町役場における職員向けテレワーク環境の構築は、もともと役場職員の働き方改革やBCPとして住民サービスをはじめとした事業の継続的な運用を目的とした取り組みでしたが、コロナ禍により早期の実現が必要となりました。そこで、セキュリティを確保しながらLGWAN(総合行政ネットワーク)へのリモートアクセスが可能なシステムを構築して、役場職員のテレワーク業務の早期実現に向けた取り組みをスタートさせました。」

LGWANにリモートでアクセスできる環境を実現して業務効率と利便性の向上を図る

松井 良男 氏
埼玉県横瀬町
副町長
井上 雅国 氏
横瀬町の情報システムは、総務省が推進する自治体の情報セキュリティ対策に基づき、個人番号利用事務 系(住民基本台帳ネットワーク)、LGWAN接続系、インターネット接続系の3つを分離した「三層の対策」によるネットワークで構成されています。3つのネットワークを分離することで堅牢性が向上し 、セキュリティが強化されましたが、その一方で、職員の業務効率や利便性に課題が生じていました。横瀬町役場におけるテレワーク環境の実現には、これらの課題の解決も目的に含まれていました。

「横瀬町役場のネットワーク環境は三層分離、いわゆるインターネットから完全に遮断されたLGWANの中で主なやり取りが行われ、当然、外とつながる必要のない業務については、LGWANの中で行なえばよいのですが、その業務を行う職員はその端末(役場) から離れられないということが課題としてありました。 LGWANという隔離されたネットワークの中でも、それに対してリモートでアクセスできるような環境を構築したいということも、今回のテレワーク環境構築の目的です。」(井上氏)

既存のシステム環境を大きく変えずテレワークが行え、維持管理や拡張性に優れたシステム提案を採用

松井 良男 氏
横瀬町役場
まち経営課
勝間田 幸太 氏
横瀬町役場では、テレワーク環境を実現するシステムの提案を関係各社に求めました。提案にあたっての条件等について、横瀬町役場 まち経営課 勝間田 幸太 氏は次のように語ります。

「可能な限りコストを抑えながら、既存のシステム環境を大きく変更せずに、今の業務内容も変えることなくリモートで行えること。また、小さな町役場ですので、限られた人員での維持管理が容易であること。そして、端末の数を徐々に増やしていくことができる拡張性などを、システムを提案していただく上での条件として設定しました。」

こうした条件を踏まえて提案を行い、実際の構築を担当した株式会社エージェント・スミス ソリューションビジネス事業部 ソリューションビジネス推進室 室長 大庭 建記 氏は、今回のシステム提案を次のように話します。

「自治体様特有のセキュリティ環境を考慮しますと、まずは仮想デスクトップシステムが頭に浮かびますが、どうしても維持管理の負担が増えてしまいます。そこで既存のシステム環境を大きく変えることなく、維持管理や拡張性にも優れた『リモートPCアレイ』を中心としたシステムをご提案いたしました。」

「リモートPCアレイ」は、20年以上の仮想デスクトップ構築経験に基づき、アセンテックが企画・製品化したリモートアクセスソリューションです。特長は、1Uの筐体に複数の物理PCカートリッジと仮想デスクトップに必要なコンポーネントを搭載しています。

「採用にあたっては、いくつかの項目からなる評価基準を設定し、その内容を最も満たしていた提案を採用しました。それが、株式会社 エージェント・スミスの『リモートPCアレイ』を用いてテレワーク環境を構築するという提案でした。既存のLGWAN環境は維持しつつ、普段の業務環境に 安全にリモートアクセスできるシステムであり、さらに維持管理が容易であることや、拡張性に優れていることなどを評価しました。」(勝間田氏)

また横瀬町では、自治体特有の三層分離の構造を踏まえて、テレワーク環境の構築においても、現状のシステム環境をできるだけ変えないかたちで利用することができるよう検討を進めてきました。その要件にも今回の提案は合致していました。例えば1Uに20台の物理PCカートリッジを搭載したシステムを導入することで、単純にLGWAN系の端末が20台増えたことになり、テレワークの端末には画面転送というかたちで業務の内容が映し出されるため、テレワーク端末にデータを残すことなく業務を行うことができます。

「既存のLGWAN環境はそのままの状態を維持することができます。さらに万が一、持ち出した端末に何かトラブルが生じても、リモートPCアレイ内の物理PCは保護されており 、セキュリティ面でLGWAN環境に影響を与えることはありません。」(勝間田氏)

テレワークの規模自体は小さくスタートし、 ノウハウを身に付けながら次の展開を目指していきたい

松井 良男 氏
横瀬町役場
総務課
富田 泰裕 氏
テレワーク環境の実現に向けたシステム構築は、2020年11月から作業を開始し、翌2021年2月には作業を完了しました。今回のテレワーク環境の構築について、横瀬町役場 総務課 富田 泰裕 氏は次のように語ります。

「当役場の職員の人数は、現在100人前後です。この数を踏まえて、日常業務や緊急時の対応などで テレワーク環境に移るときに、必要となる最低限の台数を15台と想定しました。そして今回導入された『リモートPCアレイ 100』は、1Uの筐体に20台の物理PCカートリッジを搭載できるので、15台使用した場合の残りの5台分を予備の端末として設定し、合計20台の端末を使用することができるテレワーク環境を構築しました。また自治体の場合、所属部署の違いや個人の業務内容によって必要となるソフトが異なってきます。その観点からも今回導入したシステムは、1 ユーザー(端末)単位で使用するソフトを変えることができるため、その分の費用を抑えることもできました。」

今後の展開について、井上氏は次のように語ります。

「横瀬町は人口約8,000人という小さな町ですが、条件に則した提案や構築により役場職員のテレワーク環境を整備することができました。規模自体は小さく20台でスタートしましたが、この20台でノウハウを身に付けながら、徐々に数を増やしていきたいと考えています。今回導入したシステムは、他の端末を利用しながらも拡張することができます。そして何より大切なことは、住民サービスをはじめとした事業の継続性です。そうしたBCPと役場職員の働き方改革を併せ持った取り組みを今後も続けていきたいと思います。」
システム概念図
システム概念図

お客様情報

お客様名 横瀬町役場
所在地 埼玉県秩父郡横瀬町大字横瀬4545
自治体概要 横瀬町は、埼玉県の西部、秩父地方の南東部、都心から70km圏内に位置しています。産業は日本二百名山の一つに数えられる武甲山から採れる良質の 石灰石を利用したセメント関連産業の他、果樹を主体とした観光農業が活発です。また、武甲山を中心とした雄大な自然景観と豊かな森林資源、そして札所をはじめとした歴史的な文化遺産を多数有していることから、東京池袋から電車で最短72分の東京近郊の観光地としても知られています。
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