お知らせ
2009年12月28日付 フォーブス誌 「The death of the PC ~PC 時代の終わり~」
と題した記事においてWyseシンクライアントが取り上げられました。
2010年2月16日
株式会社エム・ピー・テクノロジーズ
Wyse Technology 社 CEO ターカン・マナー氏のインタビューと写真が掲載されています。
以下日本語訳記事
コンピュータ業界では、起業したばかりの小さな会社からMicrosoftのような大企業まで、大小すべての企業が、将来はショーン・ウェットストーン氏のような 人々によって支配されるのではないかと危惧している。
3大陸で就職斡旋事業を展開しているReed Specialist Recruitment 社のコンピュータ事業部長であるショーン・ウェットストーン氏は、社内の6,000台のデス クトップコンピュータをアップグレードした。IT 部門の幹部たちは、通常Dell かHP の新機種を注文している。ところが、このショーン・ウェットストーン氏が導入 した社員用コンピュータは、これまでのように机の脇やモニターの下に置く金属製の箱ではなく、「仮想」コンピュータだった。各社員の手元にはキーボードとモ ニターのみが設置され、計算処理を行ったり、各ピクセルに配置する色を決定したりする演算部は、そのオフィスから遠く離れたロンドンのReed 社メインデー タセンターにある大型コンピュータ内にあるという仕組みだ。
SF小説でよく出てくる仮想現実では、人は現実の世界ではなく、コンピュータの中で暗号化された状態で生活しているが、Reedが仮想デスクトップによって実 現していることは、実はこれとよく似ている。ユーザーにとっては、Microsoft WindowsがPC上に存在しているかのように見えるが、画面に見えているデスク トップは、実際のところ社員のデスクには存在していないのだ。
仮想デスクトップへの切り替えは、ネットワーク化するソフトウェアが複雑なため、通常初期費用がかかるが、その一方で、メンテナンス費用は劇的に削減でき る。例えば、コンピュータにソフトウェアのエラーが発生しても、ウェットストーン氏の部署では、技術サポートの担当者を社員の所に行かせる必要はない。その 代わりに、IT管理者がメインコンピュータへログオンし、そこで実行しているプログラムを修正するだけで済む。ウェットストーン氏はこれにより、年間技術経費 の20%、2億4千万ドルの削減を見込んでいる。
2010 年には大企業がMicrosoft の最新オペレーティングシステム「Windows 7」に切り替え作業を行うと見込まれており、おそらくPC の大規模なアップグレ ードが始まると思われる。世界中の職場には5 億台のコンピュータがあるとされ、企業がコンピュータ関連に3 兆ドルを費やしていることなどを考えると、普通 ならこれは全世界にて新しいハードウェアが大量に発注されることを意味するであろう。
しかしこのデスクトップ仮想化によりそのパターンが打ち破られようとしている。つまり、1,000 ドルを費やして最新のインテルチップと高速ハードドライブ搭載の システムを設置することを止め、企業側が一台あたりモニター、キーボード、ネットワークコネクタを併せても150 ドルしかかからない仮想PC で間に合わせて しまう可能性がでてきた。仮想PC を導入した法人側は、サポート費用の削減というメリットだけでなく、厳格に保護された1 か所にデータを集中させることによ り、セキュリティ強化と簡素化も実現できる。
急速に成長する仮想化業界は、その技術をコンピューティングにおける次なる変化として推し進めている。Microsoft やCisco のような技術系大手は、対策を し始めている。調査事業を行うGartner 社のアナリストであるマーク・マージャビシャス氏は、「今やデスクトップの仮想化は、コンピュータ業界全体の最大の関 心事で、どこへ行っても誰もが仮想化について尋ねてくる」と言う。
デスクトップの仮想化は、データベースの実行やWeb サイトを提供するなど、裏方で動作するサーバーを巻き込んで10 年前に始まった技術革新の第2 章に 当たる。サーバーは、企業の運営には欠かせない存在である一方、時折フル稼働する時を除けば、大半は待機状態になっているという傾向がある。そこに 10 年前、新しいタイプのソフトウェアが登場し、1 つのハードウェアをまるで複数のサーバーであるかのように動作させることを可能にすると、企業は一斉にサ ーバーの統合に乗り出した。Gartner 社は、来年までにはサーバーを軸にしたコンピューティングの半分が仮想マシンになると予測している。
仮想化がサーバーで実現できるのであれば、サーバーより数十倍も数が多いデスクトップコンピュータでも実現できないだろうか。この将来性がまさに、多くの 企業を興奮させている要因である。カリフォルニア州サンノゼ市を拠点とするWyse Technology 社は、コールセンターなどを対象にコンピュータ端末を15 年 間作り続けてきたが、4 年前に事業の重点課題を仮想化の方向に切り換えた。これによって、Reed Specialist Recruitment 社のような企業の大量のPC が、 キーボードとモニターという必要最低限のセット(いわゆる「シンクライアント」)に取って代わられることになったわけであり、これにより売り上げは昨年比40% 増のペースで向上し、2 億5 千万ドルに達すると見込んでいる。
ターカン・マナー氏(雄弁なトルコ出身のWyse 社CEO)は、訪問客に対し「仮想化の到来でPC の時代はもう終わりを告げた。PC メーカーはこの事実に対処 するために、事業形態を変えていかなければならなくなるだろう」と語る。マナー氏は、事あるごとに「我が社の車のドアには全て「No PC」と謳ったロゴマーク を貼っているんだ」とまで話す。
Wyse のシンクライアントは50 ドルから200 ドルかかる。それらは携帯電話のように、サービスやソフトウェアのセット販売として無料で提供される日がくるかも しれないとマナー氏は言う。彼は重大な何かに気付いている。何故なら仮想化における実際の動きは、現在ソフトウェアを巻き込んでいるからである。デスクト ップ仮想化でのMicrosoft になろうと互いに競い合っている2 つの企業がある。1 つ目は市場を開拓した設立11 年のVMware 社であり、もう1 つはその市場 を利用して急速に展開しているCitrix Systems 社である。
カリフォルニア州パロアルトを拠点とするVMware 社は、Google やSun およびSilicon Graphics などを世界に送り出したスタンフォード大学工学部の周辺か ら育ってきた企業である。19 億ドルしかない収益に比べて170 億ドルの時価総額を持つこの企業は、その成長と利益率に対するウォール街の期待がどれほ どのものかを物語っている。一方、フロリダ州フォートローダーデールを本拠とするCitrix Systems 社は、事務用コンピュータの分野からに生まれた企業であ る。同社は1989 年にIBM ソフトウェア出身者により設立され、現在16 億ドルの収益と72 億ドルの時価総額を有している。観測筋によると、Citrix 社には、 Microsoft 自身が望んでいたデータセンター分野での突出した存在にVMware 社が成長するにつれて警戒感をもって注視してきたMicrosoft との間に、強味 となる密接な提携関係を持つとはいえ、VMware とCitrix の競い合いにハンディキャップを付けるほどの開きはない。
仮想化デスクトップへのシフトは、仮想化を直接可能にするソフトウェアのメーカーだけでなく、業界を支えるすべての人々に影響を及ぼすだろう。大手のハイ テク企業はどこでも、新しい製品、新しいサービス、新しい技術動向が立ち上がればいつでも対応できるように準備を整えている。かつてヒューレット・パッカー ドでは、仮想化製品を小規模な専属営業チームにより取り扱われるニッチな製品と見なしていた。現在では、HP のすべての営業担当者が仮想化製品を価格 表に載せていると、デスクトップソリューション部長ロベルト・モクテズマ氏は語る。Dell は多少違うアプローチを取っていると言う。Dell ではフル仮想化への方 向に気乗りしない顧客の立場に立って、「フレキシブルコンピューティング」について話をしている。一方、Cisco では、同社がネットワーク化に重点を置いてき たことが正しかったことを検証するものとして、デスクトップ仮想化への関心を見ている。同社仮想化グループのバイスプレジデントであるデビット・ローヤー氏 は、「誰も地球上のデスクトップがすべて仮想化されるとは考えていない」と言う。「ただし、はっきり言えることは、そのうちのかなりの数が仮想化されるだろう」 と話している。
現在、管理コストの削減は約束されているものの、Windows に加えてライセンスを要求するソフトウェア会社のために、仮想コンピュータのコストは通常のコン ピュータの50%を以上となっている。Gartner 社では、仮想化が広範囲に普及する現象をもたらすには、価格を半分にする必要があると見積っている。さらに、 パフォーマンスの問題も存在する。コンピュータの最もありふれた使い方のいくつか(例えば、YouTube のビデオを見るなど)は、仮想コンピュータでレプリケー トするのが最も難しいものであることが分かっている。これは、多量のグラフィックスを即座にネットワーク上で送信する必要があるからだ。増加の一途をたど る仮想化新興企業は言うまでもなく、大手の仮想化ソフトウェアメーカーでは、そのギャップを縮めることに躍起になっている。
ウェットストーン氏は、コンピュータ処理をロンドンに移しても何も犠牲にするものはないと言う。彼は、仮想マシンにできなくて実際のコンピュータにできたもの があったら提示してもらいたいと、懐疑的なIT チームに問い掛けたことがある。「もちろんビジネス用でなければならないが、これまでに私のこの問い掛けに応 えられた人はいない」と彼は言っている。
以下日本語訳記事
コンピュータ業界では、起業したばかりの小さな会社からMicrosoftのような大企業まで、大小すべての企業が、将来はショーン・ウェットストーン氏のような 人々によって支配されるのではないかと危惧している。
3大陸で就職斡旋事業を展開しているReed Specialist Recruitment 社のコンピュータ事業部長であるショーン・ウェットストーン氏は、社内の6,000台のデス クトップコンピュータをアップグレードした。IT 部門の幹部たちは、通常Dell かHP の新機種を注文している。ところが、このショーン・ウェットストーン氏が導入 した社員用コンピュータは、これまでのように机の脇やモニターの下に置く金属製の箱ではなく、「仮想」コンピュータだった。各社員の手元にはキーボードとモ ニターのみが設置され、計算処理を行ったり、各ピクセルに配置する色を決定したりする演算部は、そのオフィスから遠く離れたロンドンのReed 社メインデー タセンターにある大型コンピュータ内にあるという仕組みだ。
SF小説でよく出てくる仮想現実では、人は現実の世界ではなく、コンピュータの中で暗号化された状態で生活しているが、Reedが仮想デスクトップによって実 現していることは、実はこれとよく似ている。ユーザーにとっては、Microsoft WindowsがPC上に存在しているかのように見えるが、画面に見えているデスク トップは、実際のところ社員のデスクには存在していないのだ。
仮想デスクトップへの切り替えは、ネットワーク化するソフトウェアが複雑なため、通常初期費用がかかるが、その一方で、メンテナンス費用は劇的に削減でき る。例えば、コンピュータにソフトウェアのエラーが発生しても、ウェットストーン氏の部署では、技術サポートの担当者を社員の所に行かせる必要はない。その 代わりに、IT管理者がメインコンピュータへログオンし、そこで実行しているプログラムを修正するだけで済む。ウェットストーン氏はこれにより、年間技術経費 の20%、2億4千万ドルの削減を見込んでいる。
2010 年には大企業がMicrosoft の最新オペレーティングシステム「Windows 7」に切り替え作業を行うと見込まれており、おそらくPC の大規模なアップグレ ードが始まると思われる。世界中の職場には5 億台のコンピュータがあるとされ、企業がコンピュータ関連に3 兆ドルを費やしていることなどを考えると、普通 ならこれは全世界にて新しいハードウェアが大量に発注されることを意味するであろう。
しかしこのデスクトップ仮想化によりそのパターンが打ち破られようとしている。つまり、1,000 ドルを費やして最新のインテルチップと高速ハードドライブ搭載の システムを設置することを止め、企業側が一台あたりモニター、キーボード、ネットワークコネクタを併せても150 ドルしかかからない仮想PC で間に合わせて しまう可能性がでてきた。仮想PC を導入した法人側は、サポート費用の削減というメリットだけでなく、厳格に保護された1 か所にデータを集中させることによ り、セキュリティ強化と簡素化も実現できる。
急速に成長する仮想化業界は、その技術をコンピューティングにおける次なる変化として推し進めている。Microsoft やCisco のような技術系大手は、対策を し始めている。調査事業を行うGartner 社のアナリストであるマーク・マージャビシャス氏は、「今やデスクトップの仮想化は、コンピュータ業界全体の最大の関 心事で、どこへ行っても誰もが仮想化について尋ねてくる」と言う。
デスクトップの仮想化は、データベースの実行やWeb サイトを提供するなど、裏方で動作するサーバーを巻き込んで10 年前に始まった技術革新の第2 章に 当たる。サーバーは、企業の運営には欠かせない存在である一方、時折フル稼働する時を除けば、大半は待機状態になっているという傾向がある。そこに 10 年前、新しいタイプのソフトウェアが登場し、1 つのハードウェアをまるで複数のサーバーであるかのように動作させることを可能にすると、企業は一斉にサ ーバーの統合に乗り出した。Gartner 社は、来年までにはサーバーを軸にしたコンピューティングの半分が仮想マシンになると予測している。
右下ページ写真:
Wyse Technology 社 CEO
ターカン・マナー氏
Wyse Technology 社 CEO
ターカン・マナー氏
仮想化がサーバーで実現できるのであれば、サーバーより数十倍も数が多いデスクトップコンピュータでも実現できないだろうか。この将来性がまさに、多くの 企業を興奮させている要因である。カリフォルニア州サンノゼ市を拠点とするWyse Technology 社は、コールセンターなどを対象にコンピュータ端末を15 年 間作り続けてきたが、4 年前に事業の重点課題を仮想化の方向に切り換えた。これによって、Reed Specialist Recruitment 社のような企業の大量のPC が、 キーボードとモニターという必要最低限のセット(いわゆる「シンクライアント」)に取って代わられることになったわけであり、これにより売り上げは昨年比40% 増のペースで向上し、2 億5 千万ドルに達すると見込んでいる。
ターカン・マナー氏(雄弁なトルコ出身のWyse 社CEO)は、訪問客に対し「仮想化の到来でPC の時代はもう終わりを告げた。PC メーカーはこの事実に対処 するために、事業形態を変えていかなければならなくなるだろう」と語る。マナー氏は、事あるごとに「我が社の車のドアには全て「No PC」と謳ったロゴマーク を貼っているんだ」とまで話す。
Wyse のシンクライアントは50 ドルから200 ドルかかる。それらは携帯電話のように、サービスやソフトウェアのセット販売として無料で提供される日がくるかも しれないとマナー氏は言う。彼は重大な何かに気付いている。何故なら仮想化における実際の動きは、現在ソフトウェアを巻き込んでいるからである。デスクト ップ仮想化でのMicrosoft になろうと互いに競い合っている2 つの企業がある。1 つ目は市場を開拓した設立11 年のVMware 社であり、もう1 つはその市場 を利用して急速に展開しているCitrix Systems 社である。
カリフォルニア州パロアルトを拠点とするVMware 社は、Google やSun およびSilicon Graphics などを世界に送り出したスタンフォード大学工学部の周辺か ら育ってきた企業である。19 億ドルしかない収益に比べて170 億ドルの時価総額を持つこの企業は、その成長と利益率に対するウォール街の期待がどれほ どのものかを物語っている。一方、フロリダ州フォートローダーデールを本拠とするCitrix Systems 社は、事務用コンピュータの分野からに生まれた企業であ る。同社は1989 年にIBM ソフトウェア出身者により設立され、現在16 億ドルの収益と72 億ドルの時価総額を有している。観測筋によると、Citrix 社には、 Microsoft 自身が望んでいたデータセンター分野での突出した存在にVMware 社が成長するにつれて警戒感をもって注視してきたMicrosoft との間に、強味 となる密接な提携関係を持つとはいえ、VMware とCitrix の競い合いにハンディキャップを付けるほどの開きはない。
仮想化デスクトップへのシフトは、仮想化を直接可能にするソフトウェアのメーカーだけでなく、業界を支えるすべての人々に影響を及ぼすだろう。大手のハイ テク企業はどこでも、新しい製品、新しいサービス、新しい技術動向が立ち上がればいつでも対応できるように準備を整えている。かつてヒューレット・パッカー ドでは、仮想化製品を小規模な専属営業チームにより取り扱われるニッチな製品と見なしていた。現在では、HP のすべての営業担当者が仮想化製品を価格 表に載せていると、デスクトップソリューション部長ロベルト・モクテズマ氏は語る。Dell は多少違うアプローチを取っていると言う。Dell ではフル仮想化への方 向に気乗りしない顧客の立場に立って、「フレキシブルコンピューティング」について話をしている。一方、Cisco では、同社がネットワーク化に重点を置いてき たことが正しかったことを検証するものとして、デスクトップ仮想化への関心を見ている。同社仮想化グループのバイスプレジデントであるデビット・ローヤー氏 は、「誰も地球上のデスクトップがすべて仮想化されるとは考えていない」と言う。「ただし、はっきり言えることは、そのうちのかなりの数が仮想化されるだろう」 と話している。
現在、管理コストの削減は約束されているものの、Windows に加えてライセンスを要求するソフトウェア会社のために、仮想コンピュータのコストは通常のコン ピュータの50%を以上となっている。Gartner 社では、仮想化が広範囲に普及する現象をもたらすには、価格を半分にする必要があると見積っている。さらに、 パフォーマンスの問題も存在する。コンピュータの最もありふれた使い方のいくつか(例えば、YouTube のビデオを見るなど)は、仮想コンピュータでレプリケー トするのが最も難しいものであることが分かっている。これは、多量のグラフィックスを即座にネットワーク上で送信する必要があるからだ。増加の一途をたど る仮想化新興企業は言うまでもなく、大手の仮想化ソフトウェアメーカーでは、そのギャップを縮めることに躍起になっている。
ウェットストーン氏は、コンピュータ処理をロンドンに移しても何も犠牲にするものはないと言う。彼は、仮想マシンにできなくて実際のコンピュータにできたもの があったら提示してもらいたいと、懐疑的なIT チームに問い掛けたことがある。「もちろんビジネス用でなければならないが、これまでに私のこの問い掛けに応 えられた人はいない」と彼は言っている。
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