6分で分かるCitrix
〜今更、誰も教えてくれない。Citrixシリーズ #2 「Citrix DaaSとは」〜

6分で分かるCitrix 〜今更、誰も教えてくれない。Citrixシリーズ #2 「Citrix DaaSとは」〜

本シリーズでは、「”あの頃のまま”で止まっているCitrix 」を改めて整理し、いまの時代に求められる活用ポイントを分かりやすく解説しています。
第1回では「UHMC」についてご紹介しました。
第2回となる今回は、その中核を担うサービスである「Citrix DaaS Cloud(以下、Citrix DaaS)」について解説します。

コラムの概要
企業のIT環境では、クラウド活用や働き方の多様化により、VDI基盤の見直しが進んでいる。Citrix DaaSは、管理負荷を抑えながら柔軟な仮想デスクトップ環境を実現するサービスである。
重要なキーワード
  • Citrix DaaS:仮想デスクトップやアプリケーションを、クラウドの管理機能を利用して提供・運用するサービス
  • UHMC:オンプレミスとクラウドを組み合わせながらCitrix環境を活用するためのライセンス・サービス体系
最も伝えたい結論
Citrix DaaSは、VDI基盤の構築・運用負荷を軽減しながら柔軟な環境を提供できる。既存環境を活かしつつ、段階的なクラウド活用を進めやすい点が特徴である。

1. Citrix DaaSとは何か?

Citrix DaaS(Desktop as a Service)は、仮想デスクトップや仮想アプリケーションを、より柔軟に提供・管理するためのクラウドサービスです。
従来のオンプレミス型VDIでは、管理サーバー、データベース、ネットワーク、ストレージなど、多くの基盤を自社で設計・構築・運用する必要がありました。
一方、Citrix DaaSでは、VDI環境を制御する主要な管理機能をCitrix Cloud側で提供します。これにより、従来のオンプレミス型VDIと比べて、基盤の構築・管理・アップデートにかかる負荷を抑えながら、仮想デスクトップ/アプリケーション環境を利用しやすくなります。
また、Citrix DaaSは「すべてをクラウドへ移行する」ためだけのサービスではありません。
仮想デスクトップやアプリケーションを実行する環境は、オンプレミス、Azure、AWSなど、お客様の要件に応じて選択できます。

Citrix CloudのCitrix DaaSを利用する構成

  • 一部管理サーバーのサイジング / 冗長化の検討が不要
  • 自動アップデートで常に最新機能を提供
  • リモートアクセスもGateway Serviceですぐ利用可能
Citrix CloudのCitrix DaaSを利用する構成

2. オンプレVDIとの違い

Citrix DaaSは、単なる「クラウド版VDI」ではありません。
従来のオンプレミス型VDIと比べて、構成と運用の考え方そのものが大きく変わります。

従来のオンプレミス型VDI

  • コントロールプレーンを自社で構築・管理
  • 管理サーバーやデータベースの設計・運用が必要
  • バージョンアップや保守対応の負荷が大きい
  • 拡張時には追加投資や再設計が発生しやすい

Citrix DaaS

  • コントロールプレーンはCitrix Cloud側で提供
  • 管理機能をCitrix Cloud側で利用しながら、仮想デスクトップやアプリケーションを動かす環境は、オンプレミス、Azure、AWSなどから選択できる
  • 基盤の構築・更新・管理にかかる負荷を軽減
  • 小さく始めて、必要に応じて段階的に拡張可能

DaaSに加え、セキュリティや端末運用まで含めたワークスペース全体を検討しやすい。
つまり、Citrix DaaSのポイントは、VDIを単にクラウド化することではありません。
インフラを「持って運用する」考え方から、必要な機能を「サービスとして使う」考え方へ転換できる点にあります。

3.何が変わるのか

Citrix DaaSを活用することで、IT部門はVDI基盤そのものの維持管理に追われるのではなく、ユーザー体験、セキュリティ、働き方の改善により注力しやすくなります。
たとえば、以下のような変化が期待できます。
  • VDI基盤の構築・管理負荷を軽減できる
  • オンプレミスとクラウドを組み合わせた柔軟な構成を取りやすい
  • 利用規模や用途に応じて段階的に拡張しやすい
  • ユーザーの働き方や接続環境の変化に対応しやすい
  • セキュリティや端末状態を含めたアクセス制御を検討しやすい
また、DaaSの活用は、セキュリティを見直すきっかけにもなります。
仮想デスクトップによって業務データを端末に残しにくくするとともに、デスクトップやアプリケーションを管理された環境から提供できます。さらに、UHMCを前提としてSecure Private AccessやdeviceTRUSTなどを組み合わせることで、利用者、端末の状態、接続環境などを踏まえた、よりきめ細かなアクセス制御へと発展させることができます。

4.なぜ今、DaaSなのか?

近年、企業のIT環境は大きく変化しています。
  • セキュリティ対策の高度化
  • リモートワークやハイブリッドワークの定着
  • クラウド活用の加速
  • IT運用負荷の増大
  • 端末や利用場所の多様化
こうした背景から、「VDI基盤をすべて自社で持ち続ける」のではなく、必要な機能をサービスとして活用しながら、柔軟かつ安全な業務環境を整えたいというニーズが高まっています。
従来、「VDIは重い」「構築が大変」「運用が難しい」という印象を持たれていた方も多いかもしれません。
しかし、その多くはオンプレミス型VDIを前提としたイメージです。
Citrix DaaSでは、管理機能をクラウドサービスとして活用しながら、実際のデスクトップやアプリケーションの配置先は、オンプレミスやクラウドなどから選択できます。
そのため、既存環境を活かしつつ、段階的にクラウド活用を進めることも可能です。

5.UHMCで広がるCitrix DaaSの価値

UHMCでは、Citrix DaaSを中心に、Secure Private Access、deviceTRUST、Unicon、UberAgentなどを組み合わせることで、安全なアプリケーションアクセス、端末の状態に応じた制御、エンドポイント運用、ユーザー環境の可視化まで含めて検討できます。
これにより、Citrix DaaSを単なるVDI基盤ではなく、安全で、快適で、運用しやすいワークスペースを支える中核サービスとして活用できます。

6.用語集(本号で登場する主なCitrix関連用語)

VDI(Virtual Desktop Infrastructure)

サーバー上で仮想デスクトップを実行し、利用者の端末からリモートでアクセスする仕組みです。端末側にデータを残しにくく、セキュリティや一元管理の面でメリットがあります。

Citrix DaaS(Desktop as a Service)

Citrix Cloud側で主要な管理機能を提供し、仮想デスクトップや仮想アプリケーションを柔軟に配信・管理するためのクラウドサービスです。オンプレミスやクラウドなど、複数の配置先を選択できます。

UHMC(Universal Hybrid Multi-Cloud)

オンプレミス、クラウド、ハイブリッド環境を含めてCitrix環境を活用するためのライセンス/サービス体系です。Citrix DaaSを中核に、関連ソリューションを組み合わせた包括的なワークスペース提案が可能です。

Secure Private Access

ゼロトラストの考え方に基づき、アプリケーションへの安全なアクセスを提供するソリューションです。VPNに依存しないアクセス環境を設計しやすくします。

deviceTRUST

利用端末の状態や利用環境に応じて、アクセス制御を動的に変更するためのソリューションです。端末の信頼性を踏まえた、より細かな制御を実現します。

Unicon

シンクライアントやエンドポイント環境の管理・運用を支援するソリューションです。端末運用を効率化し、安定した利用環境づくりに役立ちます。

UberAgent

ユーザー体験や端末・セッション状況を可視化するためのソリューションです。パフォーマンス分析やトラブルシューティング、運用改善に活用できます。

コントロールプレーン

VDI環境を管理・制御する中枢機能です。Citrix DaaSでは、この主要な管理機能をCitrix Cloud側で提供します。

7.デモのご案内

Citrix DaaSについて、実際の操作感や構成イメージはデモ環境でご確認いただけます。
また、UHMCを前提とした活用では、DaaSによる仮想デスクトップ/アプリケーション配信に加え、Secure Private Access、deviceTRUST、Uniconなどを組み合わせた、よりセキュアで運用しやすいワークスペース環境をご紹介できます。
VDI環境の見直し、クラウド活用、端末運用、セキュリティ強化などに課題をお持ちのお客様は、ぜひお気軽にお声がけください。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
https://www.ascentech.co.jp/solution/cis/cis.html

8.次回予告

次回は、「VDIは入れた。次は、端末運用を軽くする。」をテーマに、VDI環境の価値をさらに高めるエンドポイント運用ソリューション「Unicon」をご紹介します。AI時代のセキュリティ対策やWindows 11移行を見据え、接続元端末の標準化と集中管理という新たな選択肢について解説します。
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